教えるのはこの私


徳重 安枝(Yasue Tokushige)

管理栄養士
1971年生まれ

管理栄養士。杉並区学校栄養士、プロスポーツ選手や肥満患者への栄養指導、管理栄養士国家試験講座の講師、フードライターなどを経験し、現在は「Clad-Kitchen」を主宰。料理教室の講師、執筆、講演などを行う。長女の出産を機に親子向けの食の教室「ベジスタ」を立ち上げた。

Information

0歳からのクッキング② ~1歳ごろ~ 食べ物のかたちとなまえ

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1歳ごろになると、早くもヨチヨチ歩いている子もいれば 単純な言葉を口に出して話す子、そうでない子などさまざまです。

身体機能が発達してきたとはいえ お料理に関しては煮炊きはもちろんのこと、まだまだ材料を切るのも難しい年齢。

しかし、火を使うことや材料を切ったり下ごしらえをすることだけが料理ではありません。
材料を知ること、調理をする前の材料のもとの形を知っておくのもお料理するには大事な要素です。

見たことも食べたこともない材料を調理するのも困難ですが、たとえ食べたことがあったとしても、調理する前の形を知らなければ それがいきなり目の前に登場してもやはりどんな風に扱ったり調理すればよいのか なかなか想像ができません。

例えば、アボカド。アボカドが日本に出回り始めた頃をちょっと思い出してみてください。
食べた経験はあるものの、もとの形...表面がゴツゴツしたこげ茶色のような黒いような塊を初めて見たとき、それががあのやさしい緑色をした噛むまでもないくらい柔らかいアボカドだと知らされるまでは 
 「なんだろう、この物体は??」 
と思いませんでしたか? アボカドだと知らなければ、スーパーの野菜売り場に並んでいても なかなか買おう、調理しよう、という気にはなれませんよね。

赤ちゃんにとってはすべての食べ物がそうなのです。ニンジンもタマゴもブリもそうなのです。

したがって、切ったり焼いたりができるようになるまでは たくさんの食べ物の調理する前の最初の形を教えてあげましょう。

絵本や図鑑で教えるのもその方法のひとつかもしれませんが1歳~2歳の子供に
 「この細長い形をした緑色の食べ物が "きゅうり" よ。」
といった調子で本を見ながら食べ物の名前を説明しても なんだかピンとこないような表情をするでしょう。 それ以前に、この頃の月齢・年齢ではなかなか集中して聞いてくれません。

本を見せるよりは、スーパーで買ってきた食材を広げて
「これは "りんご"。 」 「これは "なす"。 」
と実物を見せて触らせてやるほうがよっぽど楽しそうです。楽しいと覚えるスピードが早いもの。それは大人も同じですよね。
ぜひ実践してみてください。


(モデル:1歳6カ月)