教えるのはこの私


徳重 安枝(Yasue Tokushige)

管理栄養士
1971年生まれ

管理栄養士。杉並区学校栄養士、プロスポーツ選手や肥満患者への栄養指導、管理栄養士国家試験講座の講師、フードライターなどを経験し、現在は「Clad-Kitchen」を主宰。料理教室の講師、執筆、講演などを行う。長女の出産を機に親子向けの食の教室「ベジスタ」を立ち上げた。

Information

0歳からのクッキング⑪ ~3歳ごろ(3)~ 茶碗蒸し

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子どもの「どうして?」「なぜ?」にちゃんと答えてあげられるママになりたいですね。
この「どうして?」「なぜ?」が増えてきたらおすすめなのが茶碗蒸しづくり。

子どもに生卵を見せたことがない場合は、卵を割ってほぐすところを一度見せておいてから、茶碗蒸しを食べる機会があったときに 「これ、何でできてるか知ってる?」 と尋ねてみましょう。
( あっさり 「たまご!」 と答えられてしまったら、親の威厳を保つため(笑) 「どうやって作るか知ってる?」 と、私なら答えると思います。)

子どもが卵で出来ていることを知っても 「 どうして? 」 の声が返ってこなければ、「たまご焼きや目玉焼きもこんなにプルンプルンだっけ?」 と質問を投げかけてみましょう。
そしていよいよ 「どうして?」 と聞かれたら、卵は温めると固まるということや、卵にだし汁を混ぜるとプルンプルンになることを説明してあげます。
きっと 「???」 の顔をするでしょう。

このステップを踏んだら、いよいよ実際に茶碗蒸しを作ってみましょう。
たまごの形状が、トロトロの流動性のあるものからプルンとした固形に変化したことが自分の目で確かめられるので、言葉で説明するよりほっぽど分かりやすく、本人も納得してくれます。

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ゆり根をほぐしているところ。鱗片がポロポロはがれるのがおもしろいようです。

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具材をそれぞれの器に配ります。順番に配るのも子どもが好きな作業のひとつ。


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だし汁を加えてたまご液を混ぜているところ。子どもは混ぜるのが得意。


ちょっと難しい作業にもチャレンジ。 たまご液をこして、器に流します。

蒸している途中、トロトロだった卵液が固まりはじめるところを見せてあげましょう。 ( 火傷にはくれぐれも注意を!! )
これでたまごは 「温めたら固まる」 が一目でわかるはずです。

この先、子どもはお料理に限らずどんどん難しい質問をしてきます。
すべての疑問に答えられるのが理想ですが、なかなかそういうわけにもいきません。
「この分野なら大丈夫」 と、子どもの疑問をたいてい解決してあげられる 「分野」 をひとつでも持っておきたいですね。

卵アレルギーのお子さんをお持ちの方は、"温める" ことにこだわらないで、ゼラチンを使ってフルーツぜりーやムースを作ってみるのがおすすめです。
板状や粉状のゼラチンを水分のあるものに溶かして冷蔵庫に入れると、卵とは逆の 「冷やすと固まる」 が分かり、卵と同様に楽しめることでしょう。


(モデル:3歳7カ月)